別名「結霜ガラス」。アメリカ出身だと「グルーチップ」という名前になる。「グルー(Glue)」即ち「膠(にかわ)」でこの模様を作るからである。どうやるのかというと擦りガラスの表面に溶かした膠を塗る、ただそれだけだ。膠が乾く時に縮んでガラスの表面に傷を作る、それがこのような霜みたいな美しい模様になるのである。にかわ、いや、にわかには信じ難いが本当なのだ。この世は神秘に満ちている。
「グルー」で傷を付けるのだから、「グルーチップ」と言うよりは「グルーチョップ」が正しいかもしれない。日本では大正時代から昭和初期に掛けてこの「結霜ガラス」が流行った。その頃の建物には必ずと言っていいほどどこかにこれが使ってある。比較的簡単に作れて美しいのだから洒落た民家には多用されたわけだ。その後、いわゆる型ガラスが登場して民家の窓が一気に味気なくなるまで大胆且つ繊細に活躍した。現在よさが再認識され人気が出てきました。